『黄貴妃』は桃の品種ゆうぞらから生まれた黄色い桃!黄貴妃
黄色い桃は今のところ黄貴妃含めて5品種
菱沼農園で育てている桃の品種の中に、見た目の黄色いものが今のところ5品種ほどあります。8月下旬に登場する最初の黄色い桃は黄金桃、これは川中島白桃から偶然生まれた貴重な品種です。
そして、その後の9月上旬に登場する甘甘燦燦、これは黄金桃よりもちょっと薄めの黄色をしており、ふわふわとした印象の見た目です。
そして、今回の黄貴妃と呼ばれる品種も甘甘燦燦とほぼ同時期に登場します。その後9月下旬の桃シーズン終盤になると、黄ららのきわみと桃水も登場するので、
2015年現在では今回の黄貴妃を含めて5品種近くの黄色系の品種が登場することになります。
撮影:U2
黄貴妃ってどうして黄色いの?
写真左の黄貴妃の後ろにさりげなく写っている、赤色の袋がありますね。じつは黄色い桃がその華やかさを維持するために、
この赤い袋を栽培の終盤に桃を包み込むように覆う作業をおこなう必要があります。これを袋詰めの作業と呼んでいます。
この赤い袋は内面が黒くなっており、光を遮断する効果があります。この太陽の光の遮断によって、
黄貴妃を含めたすべての黄色い品種が、美しい黄色い果実として育つことができるのです。
黄金桃よりやや硬め、それがよい!
同じ黄色い桃の品種として有名な品種に黄金桃がありますが、黄貴妃は黄金桃と比較するとやや硬めです。
ただ、桃とマンゴーのミックス風味とも言われているくらいですので、果実そのものはジューシーです。
今年は限定で10箱のみの販売とさせていただきましたが、いかんせん黄貴妃は品種そのものが比較的新しいもの。
これからどんどん人気がでてくる期待の品種でもあり、また、みなさまの貴重なコメントが口コミとなって育っていく品種かもしれませんね。
来歴:福島市の畠直七氏が「ゆうぞら」の自然交雑実生から育成し、平成9年に種苗法品種登録を取得した味の良い優良な黄肉桃である。
果実:果重は300~350g位の大果で、果形は円形、果皮は黄色地に中程度の着色して美しい外観である。果肉は淡黄色で、果肉内の着色は少なく、
肉質はやや緻密の溶質で、収穫直後は果肉が硬く果汁は中位であるが、収穫3~5日後には果汁が多くなり、甘味が多く微酸で独特の芳香があり食味が良好である。核割れは微で裂果は無く、日持ち性も優れている。
熟期:「ゆうぞら」より7日位遅く、福島市では9月上〜中旬頃である。
樹性:樹姿やや直立性で樹勢は強く、花粉が多く結実良く豊産性である。
福島天香園 新種物語2010より