ゆめかおりは思い描いたイメージがふわっと寄ってくる桃の品種!ゆめかおり
桃のシーズン終盤を代表する品種として『ゆめかおり』が挙げらます。菱沼農園のパンフレットでも『極大果で、追熟させると果汁が多く濃厚な味に!』と説明している通り、ゆめかおりは桃の中でも比較的大玉で果汁たっぷりなのが大きな特長の一つです。
果肉は爽やか白色で、食べた感じはどこかもっちりとした弾力があります。もちろん食べるタイミングや保存状態によっても大きく食味・食感は左右されますが、数日間食べ比べてみた感じの印象はやっぱりもっちりです。
そして、これは桃に限らずくだもの全般にも言えることなのですが、品種分けをしているといつも気になってしまうのが『品種名』ですよね。桃そのものの食味や食感がそこまで違いなくとも、品種名だけはいつも違ってユニークなのでね、品種名を意識して桃を食べてみると気持ちから変化を楽しめちゃうところもあるんですよね。
ゆめかおりはそのまま『夢が香る』という意味だと思うのですが、なんとも美しい表現ですね。夢というのは物理的なものではないですから、もちろん香りがすることもありません。しかしながら、その夢を『香ってくる』とつなげて表現にすることで、思い描いてる頭の中の空間があたかも現実に近づいてくるようなイメージまで湧いてきてしまいます。大きな果実にほんのりと夢をのせたゆめかおり、9月下旬より収穫・出荷を予定しておりますのでぜひお試しください。収穫時期になりましたらお知らせメールより詳細をお届けしたいと思います。
来歴:福島県の高橋忠吉氏が「西野白桃」自然交雑実生から選抜育成し、平成20年に種苗法品種登録を取得した極晩生で、10月に収穫される極大果の最新種である。
果実:果重は500〜600g位の極大果で、果形は楕円形、果皮の着色は中位である。果肉はやや硬く果汁は中位で、甘味・酸味ともに中位であるが、収穫後7〜10日位追熟すると果汁が多く濃厚な味になり食味良好である。日持ち性は極めて高い。核割れは少し見られ、着色が中位で裂果も見られるので有袋栽培が基本である。
熟期:当社販売品種の中では最も遅く、福島市では10月上旬頃の収穫と思われる。
樹性:樹姿は開張性で樹勢はやや強く、極晩生品種の中では生理落果が少なく豊産性であるが、花粉が無く受粉樹を要する。
福島天香園 新種物語2010より